モッサンの思い出し笑い

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第1話(危)ヒモなしバンジー

冬の遊び、と言えば代表的なのがスキーである。
モッサンはスキーを履いて、親友の「ガマ」と一緒に山へと向かった。
もちろんスキーを滑るためではなく(笑)移動手段である。
今回チャレンジするのは、「高さ10メートル以上の砂防ダムから雪の中に飛び降りる」という企画で、目的は「高所における恐怖を克服する強い精神力を養うため」
では全然なくて、「学校校舎の三階からジャンプしてヒーローになる練習」の方が適切であろう。
当時、二階からジャンプして遊ぶ生徒は結構いたが、三階からは高すぎて誰も飛べなかったのである。

モッサンとガマは、保育所(季節保育所ね)の頃からの付き合いである。
ガマは温厚な性格で、挑発してもなかなかキレない。大柄で「北斗の拳」のケンシロウのような風貌である。ちなみにモッサンは北斗のキャラでいうと、色んな意味で「バット」に該当する。

相変わらず貯水量ゼロの砂防ダムに到着。春になると雪融け水で満水になるが、それ以外は幅1メートルの小川である。
モッサンとガマはまず、着地地点の雪の深さを調べ充分な積雪を確認して、いざ上へとのぼった。
ダムの上から着地点を見ると、飛び降りるのには現実的じゃない高さがそこにあった。雪がなければ確実に死亡できる高さだ。

瞳孔が開いて固まっているモッサンの横を、ガマは何の躊躇もなくジャンプしていた。
彼は恐怖を克服したのではなく、恐怖心が欠落しているのだとモッサンは思った。
ガマは無事着地していた。ズボッと胸まで埋まったが、雪質が軽く脱出は容易にできたようだ。

全然痛そうじゃなかったので、モッサンも勇気を振り絞って飛び降りてみた。
長い長い滞空時間を経て雪の中にズボッ!飛んでみると全然大した事はなかったが、ホッとした瞬間に悲劇は起こった。
雪国に暮らす人なら理解できるが、ダムの壁沿いに「吹き溜まり」の雪が大量に付着していて、モッサンが着地した振動で一気にそれが崩れてきたのたった。
モッサンは頭の上数十センチまで雪に埋もれてしまったのである。
真っ暗闇、窒息寸前の圧迫、耐え難い顔の冷たさ。
しかしそんなことを感じている余裕がないモッサンは雪の中で必死にもがき、何とか這い出ることができた。軽い雪で助かった。

そんなことがあってもトラウマを感じることもなく、二人は、のぼってはジャンプを繰り返して遊んだ。
しばらくすると着ているものに付着した雪が溶けてビショビショになり、気持ち悪いから焚き火をして乾かすことにした。
一番渇きの速い方法は「内と外から暖めること」である。二人は着ているものを一旦全部脱ぎ、水を搾り取って再び着用し、焚き火にあたった。
全身から湯気があがり二十分ほどで快適に乾いたが、さすがに身体は冷え切ってしまい、帰ることにした。

砂防ダムからのヒモなしバンジー。楽しかったけど、モッサンもガマも、「またやろう」とは言わなかった。

その後融雪が進み、学校では飛べなくなっていたのであった。

END
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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